二重派遣
二重派遣とは、契約している派遣会社から企業へ派遣され労働を行っている派遣社員が、その企業の指揮によって他社の企業へ労働力を派遣する行為を言います。二重派遣を行った場合、派遣社員を他社に派遣した企業と、その派遣を受けた企業は、派遣法違反、職業安定法違反として、1年以上の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。また、その事実を派遣会社が知っていて止めなかった場合には、偽装請負となり、職業安定法違反で、1年以上の懲役または20万円以下の罰金に処せられます。
派遣というものは、そもそも、派遣会社が労働力を企業に貸すという概念から生まれた職業です。ですから、その提供している労働力は、派遣会社のものとなります。ただ、労働力は紙や金銭といったものだけではありません。人という労働者を提供しているのです。ですから、企業に派遣している労働者は、派遣会社の社員であるということが言えるのです。
つまり、派遣社員は、派遣会社の社員であり、派遣会社との契約によって労働力を提供しているのです。借りているだけの労働者を勝手に他社に派遣することは、所有していない預かり物を勝手に人に渡すのと同じことなのです。これは、法律違反です。つまり、自社の労働力ではない人材を他者に貸す二重派遣という行為は、違反行為ということになります。